2019.03.11 『地球星人』

『地球星人』

30歳を過ぎてから毎年、小説を100冊以上読んでます。
ラインナップとしては最近の作品が中心で、主に通勤時間を利用して読み進める日々。
そんな中、昨年に読んだ小説で特に良かったのが村田沙耶香さんの『地球星人』でして、今回はその作品紹介をしたいと思います。

村田さんといえば、2016年に発表した『コンビニ人間』が芥川賞を受賞。ベストセラーとなり、海外でも翻訳されていたりします。
『地球星人』は芥川賞受賞後初となる2年ぶりの新作(2018年作)ですが、先の『コンビニ人間』でのテーマとなった”普通”とは何か?をさらに掘り下げた内容となっています。
ボハピピンポボピア星人という視点・概念から地球人の生態を炙り出し、大多数によって生み出されている常識という圧力に疑問を投げかける。
ポップな表紙のわりに、いろんな方向にメーターが振り切っていますし、攻めのメッセージが多く込められていると思います。
人間工場の意は読み進めるとわかってきますが、社会における当たり前への抵抗からぶっ飛んだ行動へ出ていく様は痛快。
ラストは本当に衝撃的で、よくわからないところに連れて行かれてしまったと思えたり。

著者の作品はほとんど読んでいて、毎回驚かされるわけですけど、とりわけ『地球星人』は『コンビニ人間』がかわいく思えるほどに強烈でした。
クレイジーが誉め言葉になる作家だからこその世界観。そして、常識は伝染病という表現が忘れられません。

名古屋事業所生産部 伊藤